月別アーカイブ: 2022年5月

農家によって野菜の味が異なるワケ。

先日、サーカスを見に行ってきました。(^o^)/

同じ人間とは思えないような素晴らしいパフォーマンスを
目の前で見ることができてとっても刺激的でした。

と、同時に、

自分や他者が持っている能力の可能性に対して
無意識に上限をつけてしまっていないか?

と考える良いきっかけにもなりました。

子どもだから・・

専門知識がないから・・

苦手だから・・

などと、自動的に制限するように生きてしまいがちだなぁと
反省するとともに、

「何でもやってみよう!!」

と前向きに考えられるようになった気がします。

2021年度の人参栽培には多くの反省点がありました。

排水性の問題、保水性の問題、作業効率の改善や生産の安定性の向上など
毎年課題は必ず出てきます。

2022年度の人参栽培に向けて着々と準備が進められて
いるのですが、仲間たちのおかげで順調に進んでいます。

何事も前向きに努力をコツコツ積み重ねたら
きっと結果は実ると信じています。

今回はにんじん成長記2022として
3月のにんじん畑の様子をご紹介いたします!

2022年3月・・

人参の収穫が終わり、畑では次の人参栽培の準備が始まりました。

家畜ふん尿の堆肥に見えますが、100%草の草堆肥(植物性)です。

畑の栄養は人参に行き渡ったのでそれを補うように
堆肥を撒いていきます。

地味な作業ですが、とっても大切な作業です。

この後、トラクターで耕して整えていきます。

今年も美味しい人参がたくさん育つように
引き続き土づくりを進めていきます!!

そして、今回はもう一つ、野菜嫌いの原因について
農家からお伝えしたいことがあります。

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野菜嫌いは農家の責任!!?

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皆さんの周りには野菜嫌いの方はいらっしゃいますか?

そのかたにぜひお伝えいただきたいことがあります。

野菜は生産者の栽培技術によって大きく味が異なります。

本当においしい野菜は一口食べたら止められないくらい、
旨味と甘みがいっぱいで次から次へと食べたくなります。

一方で残念ながらカラダが拒否してしまうほどの苦味やエグ味を感じて、

「もう食べたくない」

と思ってしまう野菜もあります。

小さな子どもは特に舌が敏感なので後者の野菜を食べていると
野菜嫌いになることもあります。

では、その苦味(エグ味)の正体は

一体なんなのか?

それは【硝酸態窒素(硝酸イオン)】という物質です。

この物質は殆どの野菜に含まれるのですが、量が多いと

『苦味やエグ味』

を感じる野菜になってしまいます。

未完熟の動物性肥料を大量に土壌に投入したり、
化学肥料によって過剰な栄養が土壌にあると硝酸態窒素を多く含む野菜ができます。

そして、そういった野菜は病害虫の被害も受けやすくなります。

つまり、野菜の美味しさはどのような土づくりをしているかによる、という訳です。

この硝酸態窒素を抑えるような土づくりを行うと、ビタミンや糖度、抗酸化力も向上し
栄養満点な野菜が出来るんです♪

なので、野菜嫌いは野菜を作る農家の責任です!

世のお母さんたち!

どうかご自分や子どもさんを責めないでください・・(*^_^*)

私たち農家も皆さんに喜んでもらえる野菜づくりを精一杯頑張ります!!

 

 

 

ようやく時代が追いついてきました

自然が放つ、色彩の数々は、私たちの眼と心に
癒しと安らぎを与えてくれていると思いませんか?

(スナップエンドウのお花です。)

暖かくなったので草たちの勢いが増して刈っても刈っても
力強く生えてきます。

私たちの行っている有機栽培では除草剤を一切使用しません。

薬の力で草を殺すことはしないのです。

野菜の生育に悪影響が出たり、通行の妨げになっている場合には
草を刈って、土の上に還していきます。

草たちが土の栄養となりそしてその土壌で美味しいお野菜が育ちます。
素晴らしい循環ですよね。

薬を撒けば、草が生えなくなり手間も省けるかもしれませんが、
その反面、草が土に還ることによって生み出される土のパワーは失ってしまいます。

どちらを選択するかは農家の価値観や考え方が
大きく影響していくるかと思います。

実は今、時代の進む方向はすでに有機農業へと
切り替わりつつあるというのはご存知でしょうか?

日本の食料・農林水産業は、温暖化や自然災害の増加、生産者の減少などにより
生産基盤の脆弱化が進み大きな課題に直面しています。

昨春、それらの問題に向き合うべく政策が策定されました。

それが「みどりの食料システム戦略」です。

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「みどりの食料システム戦略」とは

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農林水産省において、令和3年5月12日に、
食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーション(新しい視点)で
実現する新たな政策方針です。

そこには2050年までに以下の目標が掲げられています。

(1)
農林水産業のCO2排出ゼロエミッション
(限りなくゼロに近づける)化の実現

 

(2)
化学農薬の使用量(リスク換算)を50%低減

 

(3)
輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量を30%低減

 

(4)
耕地面積に占める有機農業の取り組み面積の
割合を25%(100万ha)に拡大

・・・と、

この4つを見ても有機栽培の推進を国をあげて取り組んでいく!!
ということが伝わってきます。

そう、まさに今、本気で日本の農業に改革を起こす時期に来ているのです。

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有機農業の面積を拡げるという大きな課題

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私たち有機農家は化学肥料や農薬を使用しない為、(2)(3)については
意識せずとも網羅できていることになります。

また、(1)のCO2排出削減についても課題はあるものの、
自然資本を土壌に循環させている為、限りなく低い排出で留めることが可能です。

そして、何より、(4)の面積を拡げていくという目標においては
益々尽力していかなければと感じています。

現在の有機農業は面積2万3700ha(2018年時点)と言われており、
これは農業全体のわずか0.5%(200分の1)です。

これを2050年までに25%に拡大するということは生半可なことではありません。

しかし、一人ひとりの農家が本気で取り組めば
きっと実現できると思っています。

安心安全で健康な野菜が世の中にどんどん広まり、
健康な人が増えて、地球環境も守れる幸せな循環が日本中に拡がる
と思うとワクワクしてきます!

未来を担う子どもたちにより良い状態で地球を
引き継いでいくためにも、より一層有機農業に精進して参ります!!

こんなに綺麗な人参のお花がこの先の未来にもずっとずっと咲き続けられますように。

みんなで地球を守っていきましょう!

野菜の健康診断を受けました

先月4月で愛知県美浜町にて農業を始めて丸10年が経ちました。

結婚前、栄養士だった主人(農場長)は、突然会社を辞めて、
「農家になりたい!」と言い始めました。

そのキラキラした目と自信たっぷりな考えにまんまと騙されて(笑)

私も夢を応援したい!!

と思うように。

それから結婚し、いろんなことがありましたが、彼は今も変わらず
畑 L O V Eで毎日一生懸命農業に向き合っています。

この美浜町に移住する少し前に農場長が何か本を読みながら、

「すごい!!これからは野菜の形ではなくて、
高栄養価の野菜が求められる時代になるんだ!!!」

と、鼻息を荒くして語っている姿を思い出します。

その時は、

『へぇ~~すごいね!』

と思っていただけなのですが、数年後まさか、彼が育てた野菜の栄養価が
一般的な野菜に比べて高栄養価だと評価されるようになるとは思いもしませんでした。

今年も野菜の栄養価を調べるために
専門機関に依頼をして野菜の健康診断を受けました。

その結果について今日はお話ししたいと思います!

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有機農業で安心安全は当たり前
これからは栄養価が高い農産物づくりを
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人も健康診断を受けて、健康状態を確認しますよね。

野菜も同様に栄養分析をする(=健康診断を受ける)ことによって、
野菜の健康状態がわかります。

オーガニック・エコフェスタ栄養価コンテスト2016に出品して以来、
毎年人参の栄養分析を続けています。

当初、受賞する目的で出品した訳ではありませんでした。

あくまでも、自分たちが育てた人参がどれほどの栄養価なのか?
を純粋に知りたいだけでした。

結果、当農園の人参の栄養価を客観視できたと共に、
『最優秀賞』を受賞することができました。

その後も毎年出品し、人参の健康状態を確認してきました。

そして、2021年の同コンテストで二度目の人参部門最優秀賞受賞。

今年行われたコンテストでは最終選考ノミネートまで選ばれました。

無事、健康な人参に育っていることが確認できました♪

次の写真をご覧ください(^o^)

今季はこのような結果でした!

◎食味評価は最高評価の5!!◎

食味については、水分はやや少な目のカリカリとした歯応えのある食感で、
濃厚な甘みと旨味を感じ、ほんのりと口に広がる人参独特の青味との
バランスも良くて、非常に美味しい。

という評価でした!

この結果を受けての、農場長からのメッセージも今回はお届けします!

安心・安全・美味しいに加えて、野菜の中身(栄養価)が
求められる時代になってきました。

(*同じ野菜でも、生産者の栽培技術によって栄養価が大きく異なる。)

「健康なくして幸せな人生はない。人の真の健康の役に立ちたい」

と思い、栄養士から有機農業の世界に飛び込みました。

お金も畑も仲間も販路も全く何もないゼロからのスタート。

有機農業で新規就農というのは想像以上に過酷な世界でしたが、
今こうして栄養満点の野菜を世の中に届けられるようになった事に、
誇りと大きな喜びを感じます。

これからも安心安全で美味しく栄養価の高い野菜を育てて

「人と地球を健康に!」

できるよう、有機農業に人生を賭けて臨んで参ります。

出口崇仁

これからも益々農業が楽しくなっていきそうです!