月別アーカイブ: 2021年5月

美味しい野菜には虫がつく、は間違いだった!

梅雨に入った頃は雨が多かったですが、今年は空梅雨なのかまた晴れ間が続いていますね。
洗濯物が乾いて嬉しいです。

ですが、読めない気候にドキドキは止まりません。(^o^;)

先日、息子の保育所の先生がオクラの苗を探していらっしゃったので
当農園で育てていた苗を少しお裾分けさせてもらいました。

子どもたちが野菜の生育を見て喜んでくれて、より一層お野菜を好きになってくれたら
うれしいなぁと思います。

さて、今回はにんじん成長記2021と、農業ミニ知識コーナーをお届けします。

にんじんの種蒔きは8月中旬以降。

それまでは土の状態をより良くするための土づくりの期間です。

【3月のにんじん畑の様子】

ありがたいご縁で新しい農地を貸していただくことになりました。
3月はその土地の開墾に注力していました。

数年草木が生え放題の場所もありチェーンソーや重機を使って整備します。

▼開墾前

▼開墾後

 

◎解説◎

すでに整った土地であれば、このような開墾の手間も省けます。
しかし、このジャングルの様な土地の方が元気で健康な土だったりします。
何年間も草が日光を浴びて育ち、草が枯れるとそれを虫や菌が食べて土に還ります。
その繰り返しで、元気な微生物の力で健康な土になっているのです!

続きまして・・

【農業ミニ知識コーナー vol.3】

先月のメールでは、”慣行農業と有機農業のプロセスと結果の違い”
についてお伝えしました。

有機農業で育つ野菜は旨味と甘味があって美味しい野菜
が多いということでしたが・・・

少しだけ補足をさせてください。(^o^)/

「有機農業で育ったから美味しい」

という訳でもないのです。

肥料の与えすぎや日照時間の問題、土の水はけの問題などが複雑に絡み合った結果、
有機農業で育った野菜だとしても

「美味しくない」

と感じる結果になることもあります。

●「虫が食べる野菜は美味しい」は間違い●

土の中の微生物が活発に働いてくれている「健康な土」で育った野菜は、
旨味や甘味が強く、えぐみが少ないです。

それに加えて「セルロース」や「ファイトケミカル」など
高分子の成分を沢山作り出します。

実はこの”高分子の成分”を虫たちは消化・吸収できません。

つまり、

人間にとって美味しい健康な野菜は、虫たちにとっては食べにくいものなのです。
そもそも虫は美味しくない野菜を食べて土に戻して新しい生命につなげてくれる存在。
(例:ハエは新鮮な刺身が食べにくいから仕方なしに古い刺身にたかる。古いものほど群がる。)

ただし、健康な野菜に虫は一切つかないという訳ではありません。
土が健康なら病害虫被害は格段に『少ない』のです。

●美味しくて健康な野菜の見極め方●

虫が好んで集まりやすい不健康な野菜は食べたら後味でわかります。

▼▼見極め方▼▼

まず、野菜を生の状態で塩もドレッシングも使わずに食べる!!(これポイント)

◎美味しい健康な野菜は、

3口食べてその後ももっと食べたくなる。

△不健康な野菜は、

3口食べたら後味が悪くどうしてもそれ以上進まない。

※有害成分のあるものは体が拒否して食べたくない。
これは、小さな子どもの方が敏感だったりします。

当農園も野菜を育て始めた当初、土の状態が今ほど良くなく、
虫に葉を食べられることが多かったです。人参の葉にはよくアオムシが居ました。

年々土地の改良と共に虫喰いも減少し、今ではほとんど見られなくなりました。

虫が出ると原因を考えて次の栽培に活かすようになりました。

自然は自然の力でたくさんのことを私たちに知らせてくれています。
虫さん野菜の状態や土の状態を教えてくれて、ありがとう!!です。

それでは、来月末のメールではこのような野菜たちは
ヒトへどのような影響をもたらすのか?

についてお届けします。お楽しみに!

 

 

新玉は水ではなく○○にさらす、新常識

シトシトと潤いの雨。東海地方も梅雨入りしました。
今年は統計史上2番目に早い梅雨入りだそうです。

平年より21日も早いのです。約3週間ですね。

こんなに早い梅雨入りは生まれて初めてです。

農家としてももちろん初めて。
今年はどんな気候になるのか?若干心配ではありますが、
今日できることをただひたすらに全力投球あるのみです!

さて、先月のブログに綴った『発酵タマネギ』にはトライされましたか?
冷蔵庫に常備してあるとどんな料理にもサッと使えるのでハマるとやめられません♪

今日は引き続き玉ねぎネタです。(^o^)/~~

新玉の季節なのでスライスしてサラダにして食べることが多いでしょうか♪

”美味しいタマネギスライスのコツ”をぜひお伝えしたくなりました!

栄養を損なわない調理のポイントをしっかり押さえていきましょう♪

 

【玉ねぎスライスのコツ】

(1)
玉ねぎの皮を剥いて縦半分にカットする。

(2)
ヘタの部分を上にしてスライサーでスライスしていく。
(この向きが大事!!うまく辛味が抜けます)

(3)
スライスした玉ねぎをバットや平たいザル全体に広げる。

最低でも20分。

可能であれば1時間置いておく。
※全体がまんべんなく空気に触れるよう、時々混ぜて重ならないようにする。

●ポイント●

1)
絶対に水にさらさないこと!水にさらすと、ビタミンB1などの
水溶性の栄養素が流出してしまいます。

2)
ヘタの部分はみじん切りにしたり、お汁の具にして食べること!
ここに栄養が沢山詰まっています◎

次に、この玉ねぎスライスを使ったレシピのご紹介です。

 

【今が旬!!カツオのたたき】

~タマネギスライスをのせて~

 

《材料》

・カツオのたたき 1さく
☆酢     100cc
☆しょうゆ  100cc
☆みりん   50cc
・新玉ねぎ  1個
☆ニンニク  小2~3粒

※酢:しょうゆ:みりんは 2:2:1の割合

《手順》

(1)
新玉ねぎをスライスのコツを参考にスライスして空気にさらす。

(2)
ニンニクをスライスし、カツオのたたきは約8mm~1cm位の幅に切り分ける。

(3)
⭐︎印(酢・しょうゆ・みりん)を調合し、切り分けたカツオのたたきと
スライスしたニンニクを30分程漬け込む。(冷蔵庫)

(4)
新玉ねぎスライス半分量を皿に敷き、カツオのたたきを並べ
その上に新玉ねぎスライスの残りをのせる。

(5)
漬け込みタレを適量とニンニクを上からかけて完成。

●栄養ミニ知識●

カツオは血液をサラサラにするEPAや、コレステロール値を下げるDHAが豊富。
体内で生成できない必須アミノ酸もバランス良く含んでいます。

血合には赤血球作りに役立つビタミンB12が多いので
貧血気味の方にもオススメです♡

ちなみに私は魚料理の中で一番好きなのが、このカツオのタタキレシピなのです!!
実母秘伝のレシピなので実家のことを思い出します。

私も母のように子どもの記憶に残る美味しいごはんを作り続けたい
と、思っています♪

 

フカフカな土で育つ、とびっきりの人参

太陽の下で畑仕事をしていたら
汗ばんでしまうほどポカポカ陽気になってきました。

土をフカフカにするために育てていた緑肥(ライ麦)がこんなに大きくなりました。

10月に種を蒔いて春になってから急成長です。
寒い時期は地中で根を張り巡らして成長していたんですね。

もう少し成長させてから、刈って細かくして土にすき込んでいきます。

それらが微生物のエサとなり、土の中が元気になっていきます。

今年も美味しい人参が育つように着々と準備を進めていますよ♪

さて、2月のブログでも速報としてお届けしたのですが・・・

2月20日に徳島県で行われたオーガニック・エコフェスタ2021栄養価コンテストで
当農園の人参が秋冬人参部門において最優秀賞を受賞いたしました。

今日はもう少し詳しくご報告させてください!(^o^)

【オーガニック・エコフェスタ栄養価コンテストとは?】

毎年徳島県で開催されている全国から腕自慢の農家さんが集結する
有機農業の祭典です。

全国の農家さんがその技術を競い合い互いの技術や知識を向上させていき
有機農業の発展へと寄与しているコンテストです。

●検査結果●
〈糖度〉
平均値:8.3
当農園:13.3

〈抗酸化力〉
平均値:5.9
当農園:18.1

〈ビタミンC〉
平均値:6.7
当農園:11.2

〈硝酸イオン〉
平均値:207.5
当農園:検出不可レベル

※この硝酸イオンの数値は低い方が望ましいのです。
※平均値は検査機関に集まった全国のデータの平均値です。

〈食味評価〉
最高評価の「5」
カリカリとした噛み心地の良い 歯切れの良い食感。
濃厚な甘味と旨味を感じ、 同時に爽やかな人参独特の
強目の青味もありながらコクのある人参の風味が味の深みを広げ非常に美味しい。

という評価でした。

【秋冬人参部門最優秀賞受賞をいただいて】

~農場長 出口崇仁より~

今回、最優秀賞を受賞できたこと、とても嬉しく思います。
栄養価を測るということは、野菜の健康診断をするようなものです。

当農園の畑で育った野菜の状態が数値で見ることができ、野菜のことを
客観的に捉えられるのがありがたいです。

そして、毎年毎年より良い土作りを試行錯誤してきましたので、
その方法が間違いではなかったんだと証明されたようで、
とても大きな自信に繋がりました。

これからもこの結果に慢心することなく、美味しくて健康な野菜づくりを
追求していきたいと思います!

本当に嬉しい受賞でした。

息子も「お父ちゃんの育てたにんじんだぁいすき~~!」

と言っています。

もしかしたら、その言葉が農場長にとっては何よりも一番嬉しいのかもしれません。

今年も美味しい人参栽培に全力を尽くします!!!